映画「未来のミライ」を見た!感想※ネタバレ注意

公開当日に観に行くことができました!
細田守監督作品を見るのはサマーウォーズ以来です。
じめじめした猛暑なので、あっさりした映画が見たくてアニメしかないやろ!と。

観つつどんな映画なんだろうと、自分の知ってる世界に当てはめようとすると、
幼いくんちゃんがタイムスリップして自分の家族(親、曾祖父、自分)に出会うそれぞれの時代をオムニバス形式で描いているんやろな!と、
手塚治虫の”火の鳥”や黒澤明の”夢”のようなオムニバス形式としてみるのがしっくりきました。
しかし世代を超える大スケールというよりはむしろストーリーが単発的で、(観てる人が想像力働かせれば違うのかもしれませんが…)つながりを理解するには及びませんでした。

絵が綺麗!で、新海誠監督の”君の名は。”にも言えることですがうまいだけでなくて写実的な背景に魅了されます。
しかしこれも”君の名は。”でも感じたことですがディテールの凝り方が気になるもので、
今作ではくんちゃんが目を離したすきに鉄道模型を完成させるスーパー幼児だったり…
東京駅の迷子の呼び出しで「銀の鈴に来て下さい」と言えばすかさず幼い子供が母の元に現れたり…
いやあり得ないやろと。違和感もありました。

それから時代は母親の幼少期は車の型をみた印象では(車詳しくないですが)80年代~で、
戦争を経験しバイクを作っていた曾祖父(祖父?)の青年時代は港のコンテナクレーン等から見て70年頃かと推測するのですが、この辺もはっきりさせてほしかったです。

ええな!と思ったのは最後の未来の東京駅の章で、パリ北駅のようなかっこいい駅に人工知能の駅係員、家族と自分の関係を理解しなければ迷子になったまま連れ去られる不思議な列車…写実的な世界とのコントラストが利いてて素敵でした!

全体的にはドラえもんとかの方がよほど凝ってるのではと思う反面、子供が見ればのめりこみそうな世界だという部分に興味惹かれました。U12推奨映画だったのかもしれません。しかし私には分からんのです。
ただ漠然と面白いアニメ映画を観に行ったのは間違いだったかもしれません!

以上


<ロシアW杯>サッカー日本代表のトリック無気力試合。感想


感想
2018年のロシアW杯、サッカー日本代表は1次リーグ最後の対ポーランド戦でお互いに攻撃をしない”無気力試合”の結果決勝トーナメント進出を決めた。
それ以上失点しないことによって、日本は決勝トーナメント進出する可能性がある。ポーランドは試合に勝利したという実績を残すことができる。
お互いの利が一致した時にこうした試合になることは過去にもあり、私はいつもモナコのフランス代表GKバルテズがCL(チャンピオンズリーグ)のリーグ戦でゴールポストにもたれて座り、ただ時間を進めるために球回しをするチームメイトを眺めていたことを思い出す(たぶん1990年代)。
当然会場にもブーイングが起こり、サッカー界全体が難色を示す。こうした試合が大きな舞台で少なくなったかどうかは知らないが、少なくとも”良くない”という共通理解がある。

しかし、今回のW杯でも前々日に行われたフランス対デンマークではお互い引き分け以上で決勝トーナメント進出が決まる状況下で本気とは言い難い試合内容のままスコアレスドローで試合が終わった。0-0の試合はこの大会初だった。
ドイツ人監督のマガト監督からは「0-0の試合は勝ち点を与えない」ようにすればという提言も過去にあった。

日本代表はそうした例に当たるのか?
無気力試合であり、盛大なブーイングも伴っていた。
しかしフランス対デンマークとは決定的な違いあり、それは作戦に”リスク”が伴っていたことだと考えている。

もしセネガルがコロンビアに追いついてしまったら…
西野監督は日本がポーランドに追いつくことよりも、コロンビアがセネガルに追いつかれないことに賭けた。麻雀で言えば(他のゲームでもいいが…)オーラス安い点で他者にフリ込みトップを確定させたようなものだと思う。
麻雀であってもトップ争いに水を差すことは空気を読んで拒まれる場合がある。ポーランドも勝利という実績ではなく別の威信をかけて日本に攻撃をしかけることは可能だったがしなかった。そして当事者であるセネガルもまた自力でコロンビアに追いつくことが出来なかった。
それで西野監督は賭けに勝った(ように見える)。

実際には選手のモチベーションがどのような状況かはわからないし、世界からの敵視に晒され決勝トーナメントに挑むデメリットがあるかもしれない。何が正解かは分からないし、どんなサッカーが面白いというつもりもない。

それでももしポーランドが攻撃を続けていたら、もし日本がポーランドに対して優位に試合を展開していたら、もしコロンビアが先制していなかったら、もしセネガルの相手がコロンビアという強国ではなかったら、もし今大会からフェアプレーポイント制度が導入されていなかったら…
そんな山際淳司なら小説を書いていたであろういくつものたらればを覆した偶発的状況とは、そしてアナウンサーが「コロンビアがセネガルに追いつかれたらどうするんだ」と訝る状況とは、サッカーファンなら少なからず興奮できる状況ではなかったろうか。実際サッカーファンの私としてはその時少し落胆して試合を観てしまったことに後悔している。下に改めて今回の日本代表の状況を調べて書いたが、試合前に調べておけばもっとワクワクできただろう。

余談だが日本代表は4年前のブラジルW杯で攻撃サッカーを旗印に挑んだが世界の中堅国に木っ端みじんにやられた経験があり、ロシア大会の直前まで自分たちの理想とするサッカーを遂行すべきか議論されて来た。
ポーランド戦では自分たちのサッカーどころか他国に委ねるという(!)、意表を突いた合理的な方法で勝ち上がることになった。
もし無気力試合に頼るようになれば日本のサッカーのレベルは上がらなくなると思う。サッカーの技術とは別次元の作戦だからそこに頼るようではだめだ。ただ大事な本番で勝つための勝負勘とはサッカーの技術だけが全てではない。どちらも両立することが出来ると考えている。
今回はそんな一端の事例がみれた。


出来事振り返り

2018/06/28(日本時間)
23:00 日本 vs ポーランド
23:00 セネガル vs コロンビア

グループHの最終戦2試合が同時キックオフし、
日-ポ戦は後半14分にポーランドが先制。
セ-コ戦は後半29分にコロンビアが先制。
セ-コ戦で点が入った時点から日本代表は攻撃をやめ球回しを始めた。
結果的にその後両方の試合は動かず試合終了。
グループHの最終結果は以下のように(↓)なり、日本はフェアプレーポイント差で2位となり決勝トーナメント進出を決めた!

グループH試合勝点得失点差総得点フェアプレーポイント
コロンビア3201635
日本3111404-4
セネガル3111404-6
ポーランド31023-32

フェアプレーポイントとは

リーグ戦3試合で受けたイエローカード/レッドカードの枚数などで減算されるポイント。
勝点・得失点差・総得点が同じで、当該チーム同士(今回の場合は日本とセネガル)の直接対決で引き分け、の場合にフェアプレーポイントの差で順位を決める。

日本代表の狙い

コロンビアがセネガルに追いつかれる可能性>日本がポーランドに追いつく可能性
コロンビアがリードしたまま、日本がポーランドに0-1のまま負けること。
接触プレーを避け余計なカードをもらわないこと。