映画「シン・ゴジラ」を見た!感想※ネタバレあり


「シン・ゴジラ」(2016年)
監督:庵野秀明(総監督)、樋口真嗣(監督・特技監督)
脚本:庵野秀明
製作:市川南
製作総指揮:山内章弘
出演者:竹野内豊、長谷川博己、石原さとみ、國村隼、余貴美子、大杉漣、高良健吾、柄本明、市川実日子、ピエール瀧
音楽:鷺巣詩郎、伊福部昭

今回は庵野秀明さんがゴジラをやるということも含めかなり話題性のあった作品だと思いますが!
見たらやっぱり面白かったです。衝撃的な面白さ!とまではいきませんでしたが、、
この組み合わせはハズレようがないというか、期待し過ぎて見ても面白い!と思います。

庵野秀明さんの代表作「エヴァンゲリオン」は私はほぼ見たことないですが、これも面白いという話はよく聞きますし、時代を代表するような作品ですので、いずれ見ることになるだろう…と思ってます。
その庵野監督とタッグを組む樋口真嗣監督(Wikipedia)は映画「進撃の巨人」の監督で、巨人と変態前のゴジラ、共にとぼけた顔に恐怖が潜んでいる感じはこの監督の影響なのかなと思いました。
それから樋口監督はエヴァンゲリオンの主人公・碇シンジの名前の由来にもなった方で、しかも元々ゴジラの製作から業界に入った方ということで、庵野さんにもゴジラにも縁の深い監督さんのようです。

役者さんも有名な方たくさん出てますが、特に柄本明さんかっこよかったです!
石原さとみさんとピエール瀧さんは「進撃の巨人」にもいい役で出てましたね。
石原さとみさんは多分普通に台詞を言うのは得意な方ではないと思いますが、個性的な役を綺麗に演じられる品の良さみたいなのがあって良いですよね。


ストーリーですが、今作も過去のゴジラを踏襲した”科学”的な原子力の話や”政治”的な自衛隊出動を描く場面が取り入れられていました。

原子力は、こういう設定が過去にあったかどうかは知らないですが、
「ゴジラは核分裂をエネルギーに変えて動いている」という設定面白いな!と思いました。
大きな生き物で何を食料にすべきかわからないですし、エネルギーも大量に必要だろうということで、核分裂という設定にするのは面白いと思います。
さらに、この大きな生き物を人間(社会)に置き換えてみても、「ゴジラもメルトダウンのリスクに侵された生き物」であるという点で世相をも感じさせますよね。

ゴジラ出現から自衛隊出動までの描写は、今回はかなり細かく時間も割いて描いていましたが、
やはり3.11や集団的自衛権の世相を反映していたと思います。
私は政治よくわからないので細かい所まで理解はできませんでしたが、
ゴジラは元々マッドサイエンティストや妖精や日本神話が登場する作品で、そういうファンタジーな部分を排除してきたのはそれだけこの”政治”の部分にこだわったからだと思います。


最後に(多分)主人公の”ゴジラ”ですが、
私も子供のころからゴジラを見ていてヒーロー的な目で見てきたので、
一生懸命戦うわけでもなく、感情を持たず・誰かに特別な感情を持たれるわけでもないゴジラの描き方には物足りなさはありました。

特にヤバかったのは変態前。
日本に上陸したゴジラはゴジラやミニラと呼ぶには相応しくなく、
爬虫類と変態前の両生類の風貌が合わさったような感じ。
最初観たときは敵キャラなのかと思いましたが、これが変態してゴジラへと成長しました。
どうやらゴジラとは両生類のような進化(というか生物の進化そのもの?)を凄いスピードで再現する、古代の生き物であるという設定があるんじゃないかと、想像しています。
それにしても地を這う気味の悪さにはゴジラのイメージを覆されました…
進化前のゴジラ
(うろ覚えですが、海の中にいた時も尻尾を振り回すシーンがあ
既に立派な尻尾は持っていたはず)

そして、変態後のゴジラ。確か再上陸した変態後のゴジラはBGMも伊福部さんのアレだったと思います。
鋭い牙を持ち頭の形はカメっぽいです。
頭は小さく目も小さく、パックマンほどの知性も感じさせない顔でした。
最近のゴジラと比べても更に”機能”だけに特化した生き物なのかなぁという印象です。
シン・ゴジラの顔
ちょっと昔のゴジラの顔

ゴジラのサイズ感。わかりにくいかもしれませんが、画像を用意しました。
尻尾がとにかくでかい。長いというよりでかい印象です。
しかもすごい主張してますよね。
機能的にもパワーアップしていました。
シン・ゴジラのサイズ感
ちょっと昔のゴジラのサイズ感

分かりやすい映像と過去の映像もあったので載せておきます。

『シン・ゴジラ』白組によるCGメイキング映像


ゴジラ 全28作総集編(完全保存版)



全体としては、昔見た伊福部さんの作品に乗せて重々しく登場したゴジラが泣いた赤鬼のごとく頑張る作品を思い描いていたので、
違和感も伴いながら観ました。
自衛隊にしても、役割は変わっていたと思います。

ただ、いつものゴジラに終わらせることなく、
新しいリアリティを追求したストーリーと設定。
電車が吹き飛ぶ迫力や、最後それどうすんねんというフィナーレ。
面白いなぁと思います。
やはり見ておくべき作品だったんじゃないかと思ってます!