井上ひさし著「小林一茶」を読んだ

面白かった。終わりの解説にあるとおり井上ひさしは

『平賀源内、道元、乃木希典、夏目漱石、樋口一葉、石川啄木』

ほかにも

『宮沢賢治、夏目漱石、松尾芭蕉、太宰治、魯迅、黙阿弥、明治維新、林芙美子、吉野作造、チェーホフ、小林多喜二』

など、人・出来事の評伝劇を書いてるそうで、読んでみたくなった。
小林一茶の事は知らない上にこの戯曲が史実に基づくものなのかは全く分からないが、江戸の史実や俳諧師という職業、何人かの実在した人物が評伝劇の楽しさを増幅させてるように思う。序盤のご法度な懸賞句会は現代で言うとお~いお茶のコンテストみたいなものだろうか。終盤に出てくる濡米の話は以前読んだ吉村昭の『朱の丸御用船』をオーバーラップさせた。(ちなみに吉村昭の曾祖父は米屋だったらしいw)

この小説で小林一茶は発句をよみまくるが、聞きなれない言葉も出てきたのでこれを機に覚えとく。
発句(ほっく)とは - コトバンク
連句(れんく)とは - コトバンク
川柳と俳句の違い
連歌・連句

連歌と連句は格式が違い?
発句は”連句の頭の5・7・5部分”であることが大前提で江戸の松尾芭蕉や小林一茶が詠み、
俳句は明治の正岡子規から始まり発句と同様季語や切れ字(”けり”とか”かな”とか”や”)を入れて、
川柳は口語体で吐く

ややこしい。この本はブックオフで360円だったので、それ探せばそれくらいで手に入るものと思う。